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  • 2012年01月22日[ ブログ]

    大阪都、中京都、そしてその先

      大阪都構想の動きでやっと、日本の都市、地域戦略の議論も本格化しそうだ。7年前にグレーター・ナゴヤを提唱し、それに加えて、北部九州、京阪神、首都圏も含めた日本の「メガ・リージョン戦略」を3年前に世に問うたが、まさに今、世の中の議論はこの方向に向かい出したようだ。ただ議論に混乱も見られるので、整理してみたい。

     

     まず、生活圏と経済圏を区別すること。前者に関わる行政である住民サービスに直結する、福祉、子育て、教育(初中等)、防犯などは生活圏に応じたきめ細かさが必要。大都市の待機児童の問題などはこの典型例。これを担うのが基礎自治体。今の政令市では大きすぎるので区役所への権限移譲が必要。

     

     他方、経済圏は「県もまたがる広域」であるのが実態。北部九州、京阪神、グレーター・ナゴヤなど、私が言う「メガ・リージョン」がそれだ。アジアなど国際的な視野で競争力を考えるのは、この単位でなければならない。

     例えば、先般、認められた国際戦略特区がそれを証明している。京都、大阪、神戸で一つになってバイオ産業などの戦略に取り組む。京都の大学、大阪の製薬メーカー、神戸の医療産業の連携でこそ国際的に勝負ができる。愛知・岐阜(場合によっては三重も含まれてもよい)も一緒になって航空機産業の戦略に取り組む。木曽川をまたがって、部品産業は広がり、高速道路網で行き来する。

    やっとそういう共同での取り組みの形になったが、実態・中身は一体戦略というにはまだまだ十分とは言えない。

     

      観光もそうだ。京都、大阪、神戸、さらに観光の場合は奈良まで含めた観光戦略でなければ国際的にも意味がない。たかだか30分圏内で観光客は移動できるのだ。宿泊するところと、見るところが県をまたぐことだってある。名古屋も愛知だけでなく、白川郷、長良川の鵜飼、伊勢・志摩など岐阜・三重と一体的な観光戦略が不可欠だ。中部空港を降り立った外国人観光客向けに観光地・岐阜への高速道路料金の定額制サービスを始める予定だが、これもその方向に沿うものだ。

     

      港湾、空港、高速道路などの産業インフラもそうだ。関空、伊丹、神戸の3空港問題。大阪港、神戸港一体の阪神港。名古屋港と四日市港の連携。中部国際空港と名古屋空港の役割分担。高速道路網での定額制の導入など。これらの問題はいずれも広域の経済圏での視点が不可欠だ。

     

      次にこのような実態づくりに対応して制度論はどうか。

    こういう広域の経済圏・メガ・リージョン単位の戦略を展開するためには、これまでの県単位の行政では期待できない。県同士の連携と言っても、長年掛け声倒れに終わっているのが衆目の一致するところ。将来の行政の担い手はこれら経済圏を包含する道州制でなければならない。九州、関西州、中部州がそれだ。

     

    ならば、大阪都、中京都の位置づけは何か。

    それは「まずコアを固める戦略」ではないだろうか。

     

      産業、観光など経済の国際競争を考えると、京阪神としての戦略、グレーター・ナゴとしての戦略が不可欠である。あくまでもこの広域経済圏での戦略的取り組みが目的である。そのためにも、そのコアが固まっていなければ、実態は動かない。より広域へとウィングを広げることもできない。

    地域の戦略的単位はあくまで京阪神(この地域は大阪、京都、神戸の多極構造。ダントツの中核都市名古屋と違う構造なので、グレーター・大阪とは言えない)、グレーターナゴヤ。そのためのコアを固める第一歩としての大阪都のステージがあるのではないだろうか。そして将来の担い手としての行政単位は道州制。こう理解するとわかりやすい。

     

     京阪神、グレーターナゴヤーなど広域の経済圏での一体的戦略をターゲットにして、段階的にアプローチしていく。その第一歩が今の動きではないだろうか。