コラム
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- 2005年08月11日 [ コラム ]
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日米関係の空洞化
最近の日本を巡る国際関係は、日米が良好で、日中、日韓が最悪と評される。確かに表面的にはそうであるが、むしろ懸念されるのは日米関係の空洞化ではないだろうか。ブッシュー小泉関係で一見最良に見えるだけに深刻である。ワシントンで影響力のあるシンクタンクでは日本専門家が次々と失職している。米国の日本への関心低下の結果である。
米国の経済界も中国一辺倒で、日米経済人の会合も参加者を確保するのに一苦労である。知日派も世代交代期に入り、日米間の人脈も厚みがなくなりつつある。日本企業もかつてのような貿易摩擦がなくなり、国内でのリストラの結果、ワシントンでの人員、予算を削っている。
このような要素が重なり合って日米関係の空洞化が急激に進行している。このまま放置すると、近い将来ワシントンから見て日本が「単なる中国の周辺国の一つ」に成り下がることも懸念される。
そこで今求められるのは、中国問題を日米共同でどう対処するかについての戦略的提案を米国に対して積極的に投げかける構想力と行動力ではないだろうか。これは決して政府だけの問題ではない。
米国の官民の関係を考えると、民間レベルでの取り組みも不可欠である。
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- 2005年07月15日 [ コラム ]
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東アジア発展の影
中国をはじめとする東アジアの経済発展は、需要と供給の両面で今や世界経済の中で大きな存在感を示している。我々はこのようないわば動脈経済での発展に目を奪われがちであるが、他方で静脈経済の実態にも目を向ける必要がある。
日本では近年、家電、自動車などのリサイクルの制度整備が行われている。これらは、資源のリサイクルは基本的に国内で自己完結するという基本思想で成り立っているようである。有害物質の国境を越える移動は条約で一応規制されている。ところが実態は家電の中古品が無視できない規模で日本,米国などから中国に輸出されている。
背景としては中国の資源需要が旺盛で、使用済み製品から得られる金属・プラスチックなどの再生資源への需要が大きいからである。
しかしながら日本のような高度なリサイクル技術がない状況ではフロン、鉛、カドミウムなどの汚染物質の流出が懸念される。現在の中国では経済成長が環境問題に優先するのは、かつての高度成長期の日本を持ち出すまでもない。
東アジア経済圏発展の表の世界を喧伝するだけでなく、このような経済の裏の世界への対応で、日本がどういうリーダーシップを発揮するのかが問われている。
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- 2005年06月03日 [ コラム ]
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日本食ブランド
米国で寿司ブームが始まって久しいが、今や日本食が健康志向とあいまって一種のトレンドとなっている。日本食レストランの数が急増しているだけではない。寿司以外でもテリヤキ、コーベビーフなどレストランのメニューにそのまま英語として使われている。
今やトーフやエダマメは代表的な健康食品として英語表記になって普及している。日本酒も国内需要の減少に対して米国では着実に成長している。ワサビやポン酢など日本の調味料、食材は日本食以外でもフュージョンのレストランで使われるようになった。
まさにこのような好環境をとらえて日本の食文化を一層海外で発信しようとの新たな取り組みも見られる。NYでは来年3月に1億円をかけて官民あげて日本食文化フェスティバルを開催しようとしている。
繊細さ、奥深さ、美的感性を持ち合わせた日本ブランドとして発信してもらいたいものだ。ただ海外でのブームの影には知識の欠如や誤解から、例えば寿司やの衛生面、日本酒の保管管理面など、仮に問題が起こればブランドに傷が付きかねない危険もある。似非日本食とフュージョンの区別も難しい。
これらも踏まえた海外での総合的なブランド戦略が求められる。
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- 2005年05月23日 [ コラム ]
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対中関与政策の強化
巨大化した中国をいかに国際経済システムに引き入れるか。これは日米共通の中長期戦略といえる。これまでブッシュ政権は中国に対して一貫してグローバルな責任を負わせることを基本戦略としてきた。いわば対中エンゲージメント(関与)政策である。
またそれは中国国内で中央政府の対軍、対地方のガバナンスを高めることにもつながる。その経済面での現れが中国のWTO加盟であった。恐らく次がブッシュであれケリーであれ、この政策は不変と見てよいだろう。WTO加盟後、中国の世界経済へのインパクトは一層巨大なものになりつつある。
それは貿易面にとどまらず、通貨、エネルギーといった広がりを見せている。このような世界経済へのインパクトに相応の経済システムが未だ未成熟であるのが中国リスクの本質であろう。例えば最近の石油市場を見ると中国による高値での鉱区の買い漁りが波乱要因となっている。
かつてオイルショックを経験した石油消費国はIEAという国際的な安定装置を作った。また通貨面ではG7という枠組みがある。
今後は中国をいかにIEA,G7といった国際的な枠組みに組み込んで対中エンゲージメント政策の経済面での広がりを持たせるかがテーマになろう。
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- 2005年05月01日 [ コラム ]
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ワシントンの風景
ワシントンには今、保護主義という雑草が野放し状態で伸びている。というのも家主のブッシュ政権が庭の手入れを怠っているようだ。家主の関心は鳴り物入りで言い出した「社会保障改革」という建物を立てることにだけ注がれている。
その結果、他の課題にまでなかなか手が回らない。更に2006年の中間選挙を控えて、各議員は選挙区の個別利害で走り回り、議会の空気は雑草が生えやすい環境になっている。
家主も2期目になると、これまでの政権のパターンと同様、早くもレームダック化の兆候が表れ、なかなか家主の威光が議会に効かない。肝心の社会保障改革という建物も国民の評判は芳しくなく、先行き不透明で家主の焦りが見える。
このような中で残念ながらワシントンのレーダースクリーンには日本の姿は写っておらず、これが幸いして雑草は中国という芝生に人民元、知的財産権、繊維という彩りを添えて生い茂っている。
日本のマスコミではビッグスリーの業績不振で、すわ日米自動車摩擦の再来かと懸念する報道もある。しかし今のワシントンの政治風景の中では小さな出来事に過ぎない。
伝統的に摩擦好きの日本のマスコミの誇大化傾向には注意したい。



