ルール作りへの戦略
2008年6月19日
スピード社製の水着問題もやっと決着した。国内メーカーの技術開発の遅れや、日本水連との契約関係のあり方が議論され、さまざまな波紋を投げかけた。しかし忘れてはならないのは、国際水連における水着の承認プロセスである。承認基準のあいまいさが今回の問題の遠因でもある。国内メーカーは承認基準に合致しないと考えていたものが、スピード社製では承認されて、国内メーカーは慌てた。判断の甘さと言われればそれまでだが、国際ルールのあり方もある。本質的なのは、スポーツにおける国際的なルール作りに日本が無力であることだ。ジャンプのスキー板の長さが日本人に不利に決められた例は有名である。柔道におけるルールも、レスリングまがいの柔道が日本の伝統的柔道の前に立ちはだかる。日本もスポーツにおける国際的なルール作りに戦略的に取り組むべきだ。ある種目での苦い経験が他種目に活かさなければいけない。種目横断的にルール作りの経験を蓄積して戦略を立てる。ルール作りの駆け引きで国際的に伍してやっていける人材も必要だ。これは産業における国際標準と同じだ。国際標準のルール作りで欧米に主導権を取られて、日本の産業界も高い授業料を払ってきた。
*出所の記載がないものは新聞のコラムとして寄稿したもの
