中国の大変革の波
2008年6月2日
四川大地震の悲劇は中国の現実を我々の眼前に突きつけた。大躍進する沿海部の一方で、内陸部の厳しい貧困の現実が存在する。そして情報コントロールが無力になった中国政府の現実も横たわる。皮肉にもこの5月から政府の情報公開条例が施行されたばかりだ。北京五輪を視野に、これまでの秘密主義のイメージチェンジを狙ったが、あまりのタイミングだ。連日24時間国営テレビが生々しい映像を生中継した。32年前の唐山大地震では24万人死亡の事実は、地震後3年たってから公表されたのとおよそ同じ国とは思えない。チベット問題での報道規制を見ているとまだまだ報道の自由はないが、確実に抗し得ない波が押し寄せている。オリンピックという最大級の国際イベントはその波を増幅する可能性を秘めている。
ある歴史的事実がある。これまで一党独裁政権が国威発揚でオリンピックを開催したことが二度ある。1936年のナチスによるベルリン・オリンピックと1980年のソ連によるモスクワ・オリンピックだ。ベルリンでは初めて聖火リレーが宣伝効果を狙って行われた。いずれもその9年後に、ナチスの崩壊、ベルリンの壁の崩壊があったのは歴史のいたずらだろうか。
*出所の記載がないものは新聞のコラムとして寄稿したもの
